事業計画

 今年の1月には埼玉県八潮市で発生したインフラ老朽化が原因の道路陥没 事故、また、昨年の元旦に発生した石川県能登地方で最大震度7の大地震が 発生し、多くの尊い命が失われました。山梨県では南海トラフ地震などの大 規模地震の発生が懸念されており、近年、全国各地において激甚化・頻発化 する災害から、「地域の守り手」である建設産業の役割は非常に大きく、期待 もされています。建設業にも時間外労働の上限規制が適用され「上限規制」 は、建設業界に変革を迫るものですが、これを機に、長時間労働の是正など の働き方改革をさらに加速し、他産業との人材獲得競争に勝ち抜いていかな ければなりません。週休2日制工事が市町村にも拡大されています。就労環 境の改善を進め、現場のゆとりと安全をもたらすことにもなり、労働災害の 防止にもつながる大切な取り組みであります。新3K(「給与」、「休暇」、「希望」) に「かっこいい」を加えた新4Kの実現に向け、働き方改革の推進や生産性の 向上等様々な課題解決に取り組んでいかなければなりません。

 政府は4月1日に首相官邸で国土強靭化推進本部を開き、6月をめどに策 定する中期計画の素案を公表しました。事業規模は2026年度から5年間で 20兆円強にする。インフラの老朽化や南海トラフ地震をはじめ大規模災害へ の対策を進める。ライフラインの強靭化や地域の防災力の強化などは特に推 進し、上下水道の老朽化対策は今後の議論を踏まえて検討するが、国などが 管理する道路や橋は9万2000カ所を修繕措置の対象とし、老朽化対策として 工事を進めて30年度に80%、51年度に100%の達成を見込むと発表しました。

 山梨県においても緊急輸送道路上の橋梁や跨線橋の耐震化を、令和9年度 を目途に完了させるべく進めています。また、上下水道施設については、県 流域下水道施設の幹線管渠の耐震化を早期に完成し、加えて、市町村と協力 して住宅・建築物の耐震化をさらに加速させます。「ふるさとの強靭化」とあ わせて「開の国づくり」を目指し、リニア中央新幹線の開業に向けて、リニ ア駅と県内各地との良好なアクセスを確保する利便性の高い道路ネットワー クを一層強化し、「県民一人ひとりが豊かさを実感できる山梨」の実現に向け た取り組みを着実に進めるものと期待します。

 災害発生時には市川建協の会員は県との「災害協定」に基づき、災害復旧 に取り組み、地域の安全・安心を守るという重要な役割を担っています。地 域のインフラ整備維持管理や災害対策を担う地域建設企業として、常日頃よ り準備を行い、会員各社の体制を整えておくことが重要です。

 長崎知事の公共工事への理解と推進に一筋の明るい希望も感じるところで ありますが、今後の公共投資及び公共工事予算編成等の推移に関しても、 決して楽観視できる状況ではなく業界全体が疲弊している現状です。

 この様な厳しい状況下の中でも、将来の担い手確保・育成等は喫緊の課題 であり、発注者と協働しての働き方改革、i-Constructionの推進等による生 産性向上への取り組みや、データーとデジタル技術を活用したインフラ分野 におけるDX(デジタル・トランスフォーメーション)の研究など、県民生活の 安全・安心を支える建設産業の魅力を高め、情報発信していくために大変重 要な一年となると思われます。

 また、発注機関への陳情要望活動を積極的に行い、会員のための協会運営 を積極的に行っていき、公共工事積算基準の地方の地域建設業者に適合する 標準歩掛への改善など、山積する課題を解決して行きます。

 地域建設業は社会資本整備や維持管理の担い手であるとともに、災害現場 の最前線で活動するなど、地域社会の安全・安心を守る「地域の守り手」と しての社会的使命を果たしていかなければなりません。 多くの課題を乗り越えて会員相互の信頼関係の中、当会が率先して各種の 事業に取り組む所存です。

 今年度はこれらの目的を達成するため以下の事業を推進します。


  1. 地域の基幹産業とし発注者、自治体に対する要望、陳情活動
  2. 社会基盤、地域環境の整備と安心安全な住民生活の確保に配慮した財政措置の要請
  3. 地域防災等の公益的な事業活動の推進
  4. 会員企業の技術力向上と経営確保の要請
    • ・働き方改革に伴う雇用労働条件等の改善や、週休二日制の実施と課題の取組
    • ・コンプライアンス経営体質の向上
    • ・ICT 及び DX(デジタル・トランスフォーメーション)の研究及び研修の実施
  5. 関係行政機関との意見交換等の積極的実施
  6. 労働災害防止のための安全対策推進及び安全パトロールの積極的実施
  7. 建設産業のPR活動や改革に向けた情報発信の推進
  8. (一社)山梨県建設業協会の事業活動等への積極的な協力
  9. 公共工事積算基準標準歩掛の改善の取組
  10. 7月に実施される第27回参院選において、建設業協会推薦候補の当選に向けた活動